こちらは中国風です。

ショート丈のブラウスと、ギャザースカートの上に
ベストを羽織り、サッシュベルトを締めています。

手に持っている造花は、市販品の「梅」です。
本当は「蓮」の方がいいと思いますが、蓮の造花よりも
梅の造花の方が、なぜか蓮に近い雰囲気だったので、こちらにしました。
天衣はワイヤー入りオーガンジーリボンそのままです。

天女というと、ふわふわ、もやもやしたイメージで
どんな衣装なのか、形を捉えにくいように感じられます。
その、もやもやした感じを実体のある形にしたいと思い
いろいろ悩んだ結果、スカートの裾は、このプリーツレースになりました。
端に太いテグスが入っていて、張りがあります。
冠に見立てた頭飾りには、ブレードを使いました。


適当な長さにカットしたブレードを、頭の大きさに合わせて折り、
ワイヤーを巻き込み、頭の形に合わせて曲げ、ビーズで飾りました。
ほつれ止めは木工用ボンドです。
切断したい箇所lにボンドを塗り、乾いてからハサミを入れます。
ルビィが着ているピンク系のセットは
上でドロンジョ様が着ているブルー系のセットと
ほとんど同じで、スカートのレース飾りと、ベストの丈が違います。



ネックレスに使ったビーズです。

透き通った楕円の真ん中に穴が開いている、珍しい形です。
この形に名前があるかどうかは不明です。
ベストは表布にシャンタン、裏布にストレッチサテンを使った
総裏仕立てで、平面的な形です。

縁にケミカルレースをかがりました。
ブラウスの身頃は着ぶくれ防止のため、できるだけタイトに。

身頃はアイボリーのストレッチサテンの上に、
バイアスに裁ったジョーゼットを重ねて1枚として縫製。
袖は、ジョーゼットの袖口を「わ」にして内側へ折り返したものを2枚重ねで
合計4枚重ねになっています。
袖の付け方は、一番外側になる1枚の袖山だけを
袖ぐりと縫い合わせ、シャツスリーブ方式で
身頃脇~袖下を内側まで続けて縫い、袖口で折り返し、
内側の袖山を、外側の袖山の縫い代に手縫いでかがる。
中の白い袖は、身頃に付ける前に袖下を縫って袖口で折り返し
袖山を2枚とも重ね、セットインスリーブ方式で袖ぐりに手縫い
(ミシンが入らないため)。
↑自分でも手順を忘れないよう書き出してみたのですが
わかりにくいでしょうか。
スカートは、裾をプリーツレースで切り替えたアンダースカートと
裾を「わ」にして2枚重ねにしたオーバースカート、
そしてケミカルレースの飾りという構成です。

臙脂色のレースには、山のてっぺんに大きめのドロップビーズを吊り下げ、
青緑色のレースには、両サイドの梯子の穴に丸大ビーズを入れました。

以下、今回の資料です。



青春出版社 速水 侑[監修] 『図説 あらすじで読む日本の仏様』より
天女とは一体どういう格好をしているのか?と長いこと疑問でした。
絵画や彫刻の写真など、いくら見てもハッキリした形がわかりません。
ひとつには、中国の宮廷風というスタイルがあるそうですが
その実際の服装を見ても、なんだか違うような気がしてしまいます。
結局は、上にあるシンプルな線画が一番の参考になりました。
ついでに、以前もらったチラシも引っ張り出して
袖の形など確認しました。

おまけ。






双葉社 アクション コミックス 諸星大二郎 『諸怪志異(二) 壺中天』より
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